ANZU

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作品コンセプト

福岡県久留米市出身の絵師。個人制作に加え、依頼作品、ライブペイントなどの活動を行っている。オリジナルキャラクターのCHAKRAMZを中心に、オリジナルグッズの制作、販売も行なっている。

作品一覧

背光
「背光」 1800×910mm
木製の板に、鉛筆、木炭、アクリル絵具
2/11〜16 福岡市美術館に展示

制作の中で力を入れたことは、立ち昇る煙のような板の木目を生かすことと、まるで幽霊画のように、暗闇から浮かび上がる雰囲気を出すことである。見ていただいた方に、静かな不気味さを感じ取って欲しいと思いながら描いた。対になるものは美しい。互いを際立たせ、時には打ち消し合う。二作のテーマは、生と死。屍の上に鎮座する光、薄汚れた湖の上の明るい炎。共にあるから魅力的である。屍は、今までの未熟な自分のイメージ。その上に静かに座っている超人的な神々しい存在。未熟な自分は葬り去りたい存在であるものの、今の自分を形作ってるものであり、それなしでは理想も実現できないという気づきを込めて、上に座らせるという構図になった。 生命の気配がしない湖の上で爛々と燃え上がる炎。その炎をまとった人ではない何か。対比するものの中で生き、揉まれて、取捨選択をしながら己を形成していくという、今自分が生きている世界に対する気づきから、このような絵になった。二作の中には、角の生えた女がいるが、これは理想の自分をイメージしている。己の角、すなわち個性を磨き、飾らずに生きていく強い存在。圧倒的な存在感。身体には和彫りという刺青を入れていく。日本では、刺青に対して反社会的なイメージがあったり、恐怖感を覚える人がいたりするが、日本を一歩出てみれば、和彫りは日本の素晴らしい文化として捉えられている。 確かに、刺青は昔、罪人の体に彫られていたり、反社会勢力のシンボル的な時代もあった。しかし、そこで認識を止めてしまうのはもったいない。和彫りには、日本人にしかできない技術、表現がたくさん詰まっている。もはや、自分を表現するツールであり、作品なのだ。和彫りに対する偏見や、認識を変えて、自分の作品から、その美しさを少しでも伝えられたらと思い、取り入れた。また、刺青は一生消えることはない。現代では、レーザー治療などもあるが、元の肌に戻すことは難しい。故に、刺青は一生ものであり、墓場まで持っていける、唯一のものである。刺青の、そういった面も含めて、美しいと感じる。消せない、不変なものだからこそ、思い入れ深く、美しい。消せないものを身体に刻むのには、決意がいる。理想の自分に刺青を入れたのは、今から自分は強くなっていく、という決意の意を込めたかったからである。
背炎
「背炎」
1800×910mm
木製の板に、鉛筆、木炭、アクリル絵具
2/11〜16 福岡市美術館に展示


以下、「背光」に同じ。